5問免除(問46〜50)攻略ガイド

最終更新: 2026年3月

宅建試験の問46〜50は「5問免除」と呼ばれる特別科目です。登録講習修了者には自動加点される代わりに、一般受験者は全問正解が現実的な目標のボーナスゾーン。特に問48(統計)は「最新の数字のトレンドを覚えるだけ」というコスパ最強の得点源です。このページでは、各問の頻出ポイントと最新統計データを1ページにまとめています。

5問免除の仕組み

免除対象者(登録講習修了者)

宅建業従事者が「登録講習」を修了すると、問46〜50の5問が免除されます。50問満点のうち5点分が自動加点され、残り45問のみ解答。合格基準点も免除者向けに低く設定されます。

一般受験者の戦略

一般受験者は問46〜50を自力で解く必要があります。出題範囲が比較的狭くパターンが決まっているため、5問全問正解が十分に狙えるゾーンです。合格を確実にするには落とせない5問です。

問46〜50 各問の概要

問番号 科目 主な出題内容 難易度
問46 住宅金融支援機構 フラット35の仕組み・機構の業務・融資対象の条件 ★★☆☆☆
問47 景品表示法・公正競争規約 徒歩表示・新築の定義・おとり広告・特定事項の明示 ★★☆☆☆
問48 統計 地価公示・住宅着工・宅建業者数等のトレンドを問う ★☆☆☆☆
問49 土地(地形・災害) 地形の種類と液状化・洪水・土砂災害リスクの対応 ★★★☆☆
問50 建物(構造・性能) 木造・RC・鉄骨の特性、耐震・免震・制震の違い ★★★☆☆

問48 統計問題 — 完全攻略

統計問題は数値の「トレンド(上昇か下降か)」と「○年連続○○」を問うパターンがほとんどです。数字を細かく暗記するより、「増えている / 減っている」「何年連続か」を押さえるのがコツです。

出題の4本柱(過去27回分析)

96%
建築着工統計
ほぼ毎回
93%
地価公示
ほぼ毎回
89%
土地白書
高頻度
隔年
宅建業者数 or
法人企業統計
どちらか1問

統計データ 3年推移

試験で問われるのは「増えているか・減っているか」「何年連続か」のトレンドです。令和8年(2026年)試験向けの最新データは2026年9月頃に更新予定です。

① 地価公示(国土交通省)全国平均変動率

用途 令和5年(2023年3月) 令和6年(2024年3月) 令和7年(2025年3月)
全用途 ▲ +1.6%
2年連続上昇
▲ +2.3%
3年連続上昇
▲ +2.7%
4年連続↑
住宅地 ▲ +1.4% ▲ +2.0% ▲ +2.1%
商業地 ▲ +1.8% ▲ +4.2% ▲ +3.9%

三大都市圏は全用途 +4.3%。全国的に上昇が継続し、地方圏でも上昇が広がっている。

② 新設住宅着工戸数(建築着工統計・国土交通省)

令和4年(2022年) 令和5年(2023年) 令和6年(2024年)
▲ 約85.9万戸
前年比 +0.4%
▼ 約81.9万戸
前年比 −4.6%
▼ 約79.2万戸
前年比 −3.4%
15年ぶり80万戸割れ

③ 宅建業者数・宅建士登録者数(国土交通省)

区分 令和4年度末(2023年3月) 令和5年度末(2024年3月) 令和6年度末(2025年3月)
宅建業者数 129,604業者
9年連続増加
130,583業者
10年連続増加
▲ 132,291業者
11年連続↑
宅建士登録者数 約115万人
(1,154,979人)
約118万人
(1,183,307人)
▲ 約121万人
(1,211,760人)

④ その他の統計

統計名 対象年 数値 ポイント
土地取引件数
土地白書・法務省登記統計
令和5年 → 約129万件 ほぼ横ばいで推移
不動産業売上高
法人企業統計年報・財務省
令和5年度 ▲ 約56.4兆円
前年比 +22.0%
大幅増加
覚え方のコツ:「地価は令和4年(2022年)から4年連続で上昇中」「住宅着工は2年連続減少で令和6年に15年ぶりの80万戸割れ」「業者数は11年連続で増加」の3点を軸に覚えると、問題文のひっかけにも対応できます。

問46 住宅金融支援機構のポイント

証券化支援事業(フラット35)の仕組み

機構は住宅ローンを直接貸し付けるのではなく、民間金融機関が貸し付けた住宅ローン債権を買い取る(=買取型)。これが証券化支援事業の核心です。

フラット35の主な要件(頻出)

  • 金利タイプ:長期固定金利(最長35年)
  • 申込時の年齢:満70歳未満
  • 対象住宅の床面積:戸建て 70㎡以上、マンション 30㎡以上
  • 火災保険加入:必須(地震保険は任意)
  • 繰上返済手数料:無料
  • 保証人:不要(住宅への抵当権設定が必要)

フラット50(2025年10月〜対象拡大)

  • 長期優良住宅・予備認定マンション・管理計画認定マンションが対象の場合、最長50年の全期間固定金利ローン「フラット50」が利用可能
  • フラット35とは別商品。試験でフラット35の最長期間を問われたら35年が正解

機構が直接融資するケース(例外として覚える)

  • 災害復興融資
  • マンション共用部分リフォーム融資
  • 子育て・高齢者向け住宅融資

問47 景品表示法・公正競争規約のポイント

数字で覚える鉄板ルール

  • 徒歩の所要時間:80m = 1分(端数は切り上げ)
  • 新築の定義:建築後1年未満かつ居住履歴なしの両方を満たすこと
  • 取引態様(売主・代理・媒介の別)は広告ごとに明示

特定事項の明示が必要なケース

  • 市街化調整区域内の土地
  • 私道負担がある物件
  • 傾斜地を含む土地(割合が大きい場合)
  • セットバックが必要な物件
  • 建築基準法上の道路に接していない土地
  • 嫌悪施設(火葬場・ゴミ処理場・産廃施設等)に近接する物件

禁止される広告

  • おとり広告:実際には取引できない物件の広告
  • 虚偽表示:存在しない・取引する意思のない物件の広告
  • 未完成物件の広告は開発許可・建築確認取得後でないと開始できない

問49 土地(地形と災害リスク)のポイント

地形の断面図(概念図)

河川 山地 丘陵地 台地 崖線 扇状地 自然堤防 自然堤防 後背低地 三角州 海面

※概念図。縮尺・比率は実際とは異なります

各地形の特徴と災害リスク

台地 ◎ 最も適する
  • 平坦で安定した地盤。水はけが良い
  • 水害・液状化リスクが低く宅地として最良
  • 縁辺の崖線沿いは湧水・崩壊に注意
扇状地 ○ 概ね適する
  • 山のふもとに広がる扇形の堆積地。砂礫層で水はけ良好
  • 地盤は比較的安定している
  • 谷口付近は土石流リスクあり
自然堤防 ○ 概ね適する
  • 洪水時に砂が堆積した河川沿いの微高地
  • 周辺低地より高く水害リスクが比較的低い
  • 昔から集落・田畑として利用されてきた
山地・丘陵地 △ 傾斜注意
  • 急傾斜・地すべり・崖崩れリスクあり
  • 水害リスク自体は低い(水が流れ出す側)
  • 造成で宅地化できるが宅地造成規制に注意
三角州・氾濫平野 △ 要注意
  • 河川が運んだ細粒堆積物でできた軟弱地盤
  • 液状化・洪水・高潮リスクが高い
  • 地盤改良なしでは宅地として難しい
後背低地(後背湿地) ✕ 不適
  • 自然堤防の背後に広がる低湿地帯
  • 軟弱地盤で液状化・洪水リスクが高い
  • 農地(水田)には使われるが宅地には不向き
埋立地・干拓地 ✕ 要注意
  • 人工的に造成。海面からの高さが低い
  • 液状化・高潮リスクが非常に高い
  • 干拓地は海面以下になることが多く、海面以上の埋立地より宅地適性はさらに低い
谷底低地 △ 不適
  • 山間の谷間にある狭い低地
  • 洪水・土砂災害の危険が高い
  • 軟弱地盤で宅地には不向き

宅地適性 早見表

地形 特徴 主なリスク 宅地適性
台地 平坦・安定した地盤 低い ◎ 最も適する
扇状地 山のふもと・砂礫層・水はけ良好 谷口付近で土石流 ○ 概ね適する
自然堤防 河川沿いの微高地 比較的低い ○ 概ね適する
三角州 河川河口・軟弱地盤 液状化・洪水・地震 △ 要注意
氾濫平野 河川沿い低地 洪水・液状化 △ 要注意
埋立地 海面からの高さが低い 液状化・高潮 ✕ 要注意
後背低地 自然堤防の背後・軟弱 洪水・湿地化 ✕ 不適
谷底低地 谷間の狭い低地 洪水・土砂災害 ✕ 不適
覚え方:「台地・扇状地(水が流れてくる上流・高い場所)は◎〜○」「後背低地・谷底低地・埋立地(水が集まる低い場所)は✕」と大まかに分けると迷いが減ります。

問50 建物(構造・耐震)のポイント

耐震・免震・制震の違い(ほぼ毎年出題)

  • 耐震:壁・柱を強くして揺れに「耐える」。最も一般的な構法
  • 免震:基礎と建物の間に積層ゴムなどを挟み、揺れを「伝えない」。高層マンション等で採用
  • 制震:建物内部にダンパーを設置し、揺れを「吸収・減衰」させる。超高層ビル等で採用

構造材料の特性

  • 木造:軽量・加工が容易。火災・シロアリ・腐食に弱い。含水率が低いほど強度が高い
  • RC(鉄筋コンクリート)造:耐火性・耐久性に優れる。鉄筋はアルカリ性のコンクリートに保護されてさびにくいが、中性化が進むと腐食する
  • 鉄骨造:高強度・均質。高温で強度が急激に低下するため耐火被覆が必要

構造形式の比較(ラーメン・壁式・トラス)

📝 管理人メモ
ここは管理人が最後まで苦手だったところ。「ラーメンなのに食べ物じゃない」など、名前から中身が想像しにくく混乱しやすかったです。図を見ながら接合部の違いを目で確認するのが一番の近道でした。
壁不要 壁不要 壁不要 壁不要 = 剛接合

ラーメン構造

  • 柱と梁を剛接合(溶接等で一体化)
  • 壁が不要で開口部を自由に取れる
  • RC・鉄骨の高層建物に多い
  • 「ラーメン」=ドイツ語で「枠・額縁」
耐力壁 = 耐力壁

壁式構造

  • 耐力壁(壁)で荷重を支える
  • 柱・梁が省略されてすっきりした内部空間
  • 開口部が制約を受けやすい
  • 低層RC建物(5階以下)に多い
上弦材 下弦材

トラス構造

  • 三角形を基本単位とした骨組み
  • 部材に曲げが生じない(引張・圧縮のみ)
  • 大スパン(体育館・橋・大屋根)に向く
  • 接合部はピン接合(ラーメンと対比)
試験によく出る引っかけ
  • 「ラーメン構造はで支える」→ ✕(柱と梁の剛接合で支える)
  • 「ラーメン構造の接合部はピン接合」→ ✕(ピンはトラス。ラーメンは剛接合)
  • 「壁式構造は高層建物に適している」→ ✕(低層向け。高層はラーメン)
  • 「トラス構造の部材には曲げ応力が生じる」→ ✕(引張・圧縮のみ)